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運動不足と体力低下(筋肉量減少、心肺機能低下)
ヒトは通常の生活を送っていても、
運動習慣のない成人の場合、筋肉量は1年で1%ずつ落ちていくといわれています。
よく聞かれる話ですが、
高齢者が転倒して骨折をしてしまい、
寝たきりになってしまうことで、一気に体力が落ちてしまうようなケースです。
これは、寝たきりで全く体を動かさいでいると、
ヒトの筋肉はわずか2日で1%落ちてしまうため(年齢や個人差はあり)です。
宇宙飛行士が地球へ戻ってきた直後に自力で歩けないのも、
重力がない状態で生活をすると、あっという間に筋肉が落ちてしまうためです。
ここまでが、筋肉についての話になりますが、
ヒトの体力を考えていく上で、筋肉だけでなく、
もう一つ大切になってくるのが、『最大酸素摂取量』です。
この最大酸素摂取量も、10年で10%近く落ちてしまうことが分かっています。
そして、最大酸素摂取量の決め手となってくるのが、
酸素の運搬を担う『心肺機能』と、酸素とエネルギー産生を担う『筋肉』です。
運動不足による基礎代謝低下
体を動かさない生活を続けると
心肺機能が落ちてしまうだけではなく、
筋肉が萎縮して、筋肉内にある、エネルギーを生み出す機能が低下してしまいます。
これが、よくいわれる『基礎代謝が落ちる』という状態です。
【➀運動量が減る】⇒【②筋肉量が減る】⇒【③エネルギーが作られにくくなる】⇒【④疲れやすい体になる】⇒【⑤更に運動量が減る】
といった感じで、負の循環に陥ってしまいます。
また、エネルギーが作られにくくなると、
体内で『糖質』が行き場を失うことになります。
つまり、行き場を失った『糖質』が
『体脂肪』として蓄えられてしまう割合が増加し、
メタボリックシンドローム、生活習慣病、老化の原因となってしまうのです。
筋肉の働きは、体を動かしたり、重いものを持つ時だけではありません。
普通の生活を送っている時も、
『エネルギーの産生』と『余分なカロリーの消費』という重要な役割を果たしているのです。